あるお客様から、真珠のネックレスの糸替えをお願いしたいとのお電話がかかってきました。
基本的に当店でお買い上げいただいたネックレスについてのみ糸替えを承っているので、その旨をお伝えすると、17年前に当店でお求めいただいたもので、当店発行の保証書もお持ちとのこと。
さらに遠方にお住いなので、宅配で送りたいとのことでした。
調べましたら、確かに2001年にそのお客様にネックレスをお買い上げいただいた記録があり、当店から旅立っていったネックレスとの17年ぶりの対面に、何となくドキドキしながらネックレスの到着を待ちました。
届いたネックレスは、糸は切れてはいましたが、きちんと手入れされ、大切にされていることが一目でわかるものでした。
少し古びたケースの外箱には、ご本人の覚書なのでしょう、日付とともに、お母様が亡くなって遺されたお金で、形に残るものとしてフォーマル用のネックレスを購入したという経緯がペンで書き込みされていました。
遠くお客様のお手元で、お母様との絆という目に見えないものの象徴として、大切にされているネックレスとの再会に、うれしくありがたく胸がいっぱいになりました。
早速、真珠の一粒一粒を丁寧に磨き、糸を組み直してご返送しました。
自分たちは、ただ単なる「モノ」を売っているのではない。
それはスタッフ皆が、常々意識していることですが、再確認させていただいた思いです。
ありがとうございました。